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等圧線解析(ASAS天気図)の対策

ASAS天気図に補助等圧線を記入する問題の対策を考えてみました。

※「等圧線解析問題の傾向」はこちらを参考にして下さい。

対策の概要

【対策1】 等圧線記入のルールを理解する

ASAS天気図解析の補助等圧線を記入する際に理解しておくべき3つのルールをまとめました。

【対策2】 作図のルーティンを習得する

時間の限られた試験では、問題文を読み終えたらすぐに作図に入りたくなります。しかし、作図の手順を定めていつもそれに従って記入することで、多少時間はかかっても確実に正解できます。

試験場で配布されるトレーシングペーパーを使って作図する手順を紹介します。

 

対策の詳細

対策1 等圧線記入のルールを理解する

①等圧線の片側で気圧が低ければ(低圧)、その反対側は気圧が高い(高圧)
②気圧値を大まかに比例配分して引く
③前線を横切る等圧線は低圧部から凸に描く

①等圧線の片側が気圧が低い(低圧)であれば、その反対側は気圧が高い(高圧)

1008hPaと1012hPaの等圧線に、1010hPaの補助等圧線(緑色の破線)を記入した図1(a)をみてください。

補助等圧線の南西側には気圧の高い1012hPaの等圧線がありますが、北東側には気圧の低い1008hPaと高い1012hPaが混在しています。補助等圧線の南西側が高圧なら、反対側の北東側は低圧になるのが等圧線の鉄則です。したがって、図1(a)の補助等圧線は引き方を間違っていることになります。

図1(b)のように引き直すことで、1010hPaの補助等圧線の西側は高圧、東側は低圧となります。

図1 補助等圧線(1010hPa)の記入例

 

②気圧値を大まかに比例配分して引く

例えば1010hPaの補助等圧線を引くのであれば、1008hPaと1012hPaの等圧線の中間に引きます。

天気図上に気圧値が与えられた場合は、補助等圧線の値と近ければそこに寄せて引きます。試験では正解に許容範囲があるようなので、あまり神経質にならなくて良いと思います。

このように補助等圧線を記入すると、その形状は概ね近傍の等圧線に沿ったものになります。

 

③前線を横切る等圧線は低圧部から凸に描く

前線は気圧の谷を通ります。したがって、補助等圧線が寒冷前線や停滞前線を横切るときは、前線のところで気圧が低くなるように引きます。

例として図2に2021年6月の天気図を示します。等圧線と前線が交わるところを青丸でマーキングしました。交点に対してどちらが低圧側か注意して下さい

図2 前線と横切る等圧線の例(気象庁天気図を加工して作成)

 

対策2 作図のルーティンを習得する

【ステップ1】下準備をする
【ステップ2】補助等圧線の始点・終点を決める
【ステップ3】記入ルールに従い、補助等圧線を記入する

このステップにしたがって、過去問題(56-2-1(1))を解いてみましょう。

気圧分布の特徴が分かりやすくなるように、解答図(図3)の枠内に描くことのできるすべての1010hPaの補助等圧線を破線で記入する問題です。6地点の海面気圧値が与えられています。

図3 解答図

 

【ステップ1】下準備をする

解答用紙にトレーシングペーパーを重ねて、主要な線を色鉛筆でなぞる

なぞる線と色は次の通りです。

    • 天気図の枠(黒鉛筆)
    • 記入する補助等圧線より2hPa高い等圧線(青色)
    • 記入する補助等圧線より2hPa低い等圧線(赤色)

図4は1008hPaを赤色で、1012hPaを青色でなぞり、天気図の枠を鉛筆でなぞった状態です。

概要が分かれば良いので、正確になぞる必要はありません。気圧の高い等圧線(青)と気圧の低い等圧線(赤)を取り違えないよう、最初に等圧線の気圧値を書いてしまいましょう。

 

図4 トレーシングペーパーを使った下準備

 

これで補助等圧線を記入する準備が仕上がりました。等圧線に色をつけたことで、かなり解答がしやすくなりました。

 

【ステップ2】補助等圧線の始点・終点を決める

枠上で、補助等圧線の始点・終点を考える

記入する1010hPaの補助等圧線は、1008hPaと1012hPaの等圧線の間にあるはずです。分かりやすいように、枠上で1012hPaの端点を青丸、1008hPaの端点を赤丸で印をつけました(図5)。

この間に1010hPaの補助等圧線が位置するはずなので、そこに緑の三角印をつけました。1010hPaは目安で良いので、赤丸と青丸の中間につけます。

緑の三角が4つあるということは始点・終点のセットが2つあるので、1010hPaの補助等圧線が2本引けそうです。

図5 補助等圧線が引きやすいようにマーキングする

なお、ここでつけている丸印や三角印は説明の都合上でつけているだけので、つけなくても構いません。各自で作業しやすいようにアレンジしてみてください。

 

【ステップ3】対策1の記入ルールに従い、補助等圧線を記入する

枠上の三角印から補助等圧線の記入を始める

補助等圧線の低圧側には必ず気圧の低い等圧線が、高圧側には気圧の高い等圧線が来るように引きます。

右枠の1010hPaからスタートしてみます。補助等圧線は緑色の破線で示します(図6)。

図6 周囲の等圧線と矛盾のないように記入する

緑線の右側には赤線(1008hPa)、左側には青線(1012hPa)があります。指定された気圧値「101」(1010.1hPa)、「102」(1010.2hPa)の近傍を通るように引いていきます。

「102」を通過したところで1012hPaの高気圧にぶつかるので、右か左に避けることになります。左に避けると、緑線の右側に青線(1012hPa)がきます。スタート時は右側に赤線があったのに、途中から青線が出てくるということは、分岐の選択を誤っています。

そこで、分岐は右に進んで1008hPaの赤線に沿ったまま、枠右上の終点まで進みます(図7)。

図7 補助等圧線の記入例

もう1本の補助等圧線は北側に青線(1012hPa)、南側に赤線(1008hPa)が来るように引きます。

 

最後に

ASAS天気図に補助等圧線を記入する問題の対策をまとめました。

数をこなすよりも、記入ルールをしっかりと理解することが大切です。しばらく解析をしないとコツを忘れてしまうので、試験前には必ず過去問題で練習しておきましょう。

 

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