実技の学習をこれから初めて始める方、あるいは捲土重来を期す方も、参考書や問題集を開く前にやるべきことがあります。今回はそれをご紹介したいと思います。
試験勉強に限らず、どんなプロジェクトでも目標と締め切りがある限り、実行スケジュールを作ることが必須です。
無理がなく自由度があり、しかしやるべきことを網羅した作業スケジュールが作れれば、プロジェクトは7割方は達成できたと同じです。
あとはそれにしたがって日々、作業ベースで淡々と学習をこなせば良いのです。
「やるべきこと」を押さえて、それを「実行可能なスケジュール」に落とし込む作業はコツが必要ですが、可能性を感じさせる最も楽しいフェーズです。
序奏期
実行スケジュールを策定する期間です。助走ではなく、あえて序奏(プレリュード)としました。
- 出題形式、大まかな出題内容を確認する
- 使用する参考書を決める
- 他人の合格体験記なども参考にする
- 実行スケジュールを策定する
- テーマ別に項目、量、スケジュールに落とし込む
- 実力に応じて、参考書や過去問を繰り返す回数を決める
- スケジュールには、のり白(余裕)も残すこと
基礎固め期
試験日まで余裕があれば基礎固めをしてから次の試験対策に移行します。
時間がなければ、試験対策をしながら並行して基礎固めを行っても構いません。
- 参考書を中心に、テーマ別に実行する
- 暗記ものの整理
- 理屈の整理
- 低気圧発達の理屈
- 代表的な気象現象の理解
- 防災事項
- 波関係
- テクニックの習得
- 天気図の見方
- 解析テクニックの練習
- 特殊なグラフの見方
現在入手可能な参考書は次の2冊です。
1.「気象予報士かんたん合格テキスト<実技編>」(技術評論社)
2.「読んでスッキリ!解いてスッキリ!気象予報士実技試験合格テキスト&問題集」(ナツメ社)
実技試験に初めて取り組む人には1.が向いています。
もっと学びたい人は、2.にも取り組みましょう。1.ではカバーされていない沿岸前線の解説もあります。
試験対策期
過去問題に取り組みます。
- 過去問で、基礎知識・テクニックの使い方を習得する
- 過去5回分(計10問)を3回繰り返す
- 解答用紙を使って解答し、間違えたところや重要ポイントはその解答用紙に書き込む
- こうすることで、後からの復習が容易になる
過去10回分の試験問題と解答用紙は、気象業務支援センターのサイトから入手できます。
過去問の解説本は2種類(東京堂出版、気象業務支援センター)ありますが、後者の方が解説は丁寧です。
クールダウン期
基礎固め期に自分で作成した資料、参考書の重要ポイント、暗記ものなどを振り返ります。
- 試験前1週間は、これまでの知識を総復習する
- 新たな問題演習には取り組まない
気象解析
序奏からクールダウンは順を行って実施しますが、気象解析はそれと並行して行います。
目的は「とにかく天気図を見ることに慣れる」ことです。
そのためには、数多くの天気図と取り組むしかありません。1日に15〜20分程度で構わないので、毎日行ってください。
- 朝9時の天気図で解析を行う(毎日、13時頃に配信される)
- 天気図は印刷する(ASAS, AUPQ35, AUPQ78, AXFE578、FXJP854, FXFE502, FXFE5782)
- ある現象を複数の天気図で多角的に見るように心がける
- 例)地上天気図で前線を伴う低気圧がある
- 300hPa実況図で、前線に対応するジェット気流はあるか
- 500hPa実況図で、低気圧に対応するトラフはあるか
- 700hPa実況図で、低気圧に対応する湿り域はあるか
- 850hPa実況図で、低気圧に対応する湿り域、温度移流、上昇流、下降流はあるか
- 衛星画像、降水ナウキャストにはどのような反応があるか
- 例)地上天気図で前線を伴う低気圧がある
最後に
捲土重来を期す方は、前回試験の結果発表から次回試験までの期間は5ヶ月です。学科試験の準備が必要な方もいるでしょう。
次回に間に合わせるために無理なスケジュールを作ると、すべてが中途半端になります。毎日の生活も息苦しくなります。
余裕を持って受験できるよう、受験日もよく考えて決めることをお勧めします。
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