これから6回シリーズ(予定)で等値線の解析を考えてみたいと思います。
第1回 総論
第2回 等温線解析(1)
第3回 等温線解析(2)
第4回 等圧線解析(1)
第5回 等圧線解析(2)
第6回 鉛直断面図
初回の第1回は総論を扱い、第2回以降では過去問題を使った演習をやっていきます。
最初に
等値線の解析対象としては、等温線、等露点温度、等圧線、等雨量線、等風速線、等高度線などがあります。
いずれもやってみると興味深いのですが、本連載では試験でよく出題される等温線解析と等圧線解析に絞って考えることにします。
これまで本サイトでは、
の4回に渡り等圧線解析を扱ってきました。
作成から5年を経て読み返してみると、当時の説明に間違いはないものの、もう少し違う見方もあるかなと思うようになりました。
そもそもなんの目的で等値線解析を行うのかという視点を持つと、もう少し効率的に解析ができるのではないかと思い、補筆しながら解説することにしました。
等値線解析は何のために行うのか
等値線解析には、本来ちゃんとした目的があって行います。試験で受験生を困らせるために行うものではありません。(T T)
過去問題の解説書などを見ても解析の趣旨に沿った説明をしてくれているものがないため、深い洞察力を習得することなく通り過ぎてしまいます。
しかし、解析を行う目的を理解することは気象業務をする上では当然のことですが、試験問題を解く上でも解答時間の大幅な短縮につながります。
そこで連載を始めるにあたり、解析の目的を確認しておきましょう。
まず天気図の種類からです。天気図には実況天気図と予想天気図がありますが、一般的には実況天気図に対して等値線解析を行います。
①総観規模の天気図
私たちが日常的に目にしている地上天気図(ASAS, SPAS)は総観規模の天気図です。
実況の地上天気図では4hPaごとに等圧線が記入されていますが、気圧傾度が緩くて分布がはっきりしないときには2hPaごとの補助線が記入されることがあります。
例えば、図1の天気図では東日本から華北までの気圧差が4hPaとなっているため、1010hPaの補助線が記入されています。

試験でも総観規模の等圧線解析で補助線記入問題が出題されることがありますが、気圧傾度が緩い事例とは言えないものもあります。
このような場合は、補助線を記入することで気圧の谷や気圧の尾根を浮き彫りにする目的があると考えられます。
②局地天気図
局地天気図は普段目にする機会の少ない天気図です。局地的に発生している気象現象を解析するために用いるものです。現象の例としては熱的低気圧や沿岸前線が挙げられます。
「メソスケールの現象を解析する」という目的はとても大切なことですので、ぜひ頭に入れて問題演習を行うたびに思い返していただきたいと思います。
何かが起きているから局地解析をするのであって、何も起きていなければやらないわけです。試験問題でもここを意識する必要があります。
等値線解析の要領
等値線解析を行う際は、次の点を常に意識します。
①最初にプロット図の全体を俯瞰する
数値の大きいところ、小さいところがどのように分布しているかを見極めます。

図2の気温のプロット図を見ると中心に紀伊半島があり、その南側は太平洋だと分かります。そして沿岸沿いは気温が高く、内陸は相対的に低くなっていることが見てとれます。
多くの場合、地形(山とか平地とか)による影響が解析結果に影響してくるので、地図や地形図と見比べることが大切です。
②指定された値より大きな数値の領域と小さな値の領域を色分けする
例えば、1002hPaの補助線を記入するのであれば、1004hPa線を青色で、1000hPa線を赤色でなぞります(高圧側を青、低圧側を赤)。
5℃の等温線を記入するのであれば、6℃線を赤色で、4℃線を青色でなぞります(高温側を赤、低温側を青)。
こうすることで、次の③の作業が格段にやりやすくなります。
③ある等値線をはさんで、その両側の数値がともに大きかったり小さかったりすることはない

図3のように同じ値の等値線が相対することはありますが、その間にさらに等値線を解析することはできません。
最後に
文字ではなかなか伝わらないと思うので、次回からは過去問題で具体的な例を見ていきたいと思います。
(参考文献)
下山・伊藤(2007)「天気予報のつくりかた」東京堂出版
気象予報士試験対策研究会(2015)「ひとりで学べる!気象予報士実技試験」ナツメ社
この記事が役に立ったと思われた方は、ポチッと押してください。

今日試験の方々からすると「なんで今やねん」と思ってらっしゃるかもしれません笑
試験中急いでいるとどうしても尖った部分の多い線になってしまいがちですが、できるなら滑らかになるように引いたほうがいいとは思います。まずは矛盾のないことが一番ですが。
ですよね〜、自分でもそう思います。
ということで、シリーズの2弾目を午前中にあげますね。