受験が終わると開放感や手応えなど複雑な気持ちが入り混ざり、発表日まで不安な日々を過ごすことになります。
しかし次の試験までは5ヶ月もしくは6ヶ月しかありません。捲土重来を期すためには、一日も早くスタートを切って充実した時間を過ごすことが大切です。
今回は受験直後の時間をどのように過ごしたら良いかを考えてみます。
やってはいけないこと
試験後にやってはいけないこと、それはずばり、自己採点をすることです。
試験が終了すると個人や業者が自己採点用と称して、解答例を発表します。自身の出来栄えが気になって、ネット情報を探す方もいるでしょう。
そもそも自己採点する意味はあるのでしょうか。
自己採点の結果が良かったとしても、その時点で学習を中止するという判断ができるでしょうか?
あなたの採点結果が良いということは、他の受験生も平均的に出来が良かった可能性があります。そうすれば合格点が上がるだけです。
結局は合否結果を見るまでは分からないことです。終わってしまった試験に対して、もはやできることはありません。それに対して一喜一憂することは生産的ではないですよね。
あなたが今すべきことは、次の試験に向けて学習をスタートさせることです。
大学受験をされた方の中には模擬試験(模試)を受けたことのある方も多いでしょう。模試を受けた後に、自己採点をする人はまずいないでしょう。
模試は点数が大事なのではなく、その時点での自分の弱点を見つけるのが最大の効果です。
済んでしまった予報士試験は、あとは採点官に委ねるしかないのです。そうであれば、あれは模試だったと思いましょう。
模試である以上、大切なのは自己採点ではなく、自分の強化ポイントを見つけることが大切です。それこそが受験した最大の意義です。
やって良いこと(最初の10日間)
気象業務支援センターが解答例を公表するまで(試験日の翌週水曜日10時)の10日間は、学習から離れてオフ期間としましょう。受験日まで頑張ってきたのですから、脳と身体に休息を与えることが大切です。
それでも落ち着かない方もいるでしょう。そこで忘れないうちに、試験を受けて感じたこと、気がついたこと、反省点などを書き出しましょう。
どんな些細なことでも構いません。これは受験した人でないと得られない貴重な情報です。
例)
- 試験会場は駅から近かったが、会場に入ってから教室までが遠かった
- トイレ待ちが長く、休憩時間が短く感じられた
- 冷暖房の効きが悪く試験官に申し出たが、「集中制御だから変更できない」と言われた
- 試験時間が足りず、全問を解答することができなかった
- トレーシングペーパーを使う機会がなかった
- 実技開始直後、問題用紙を切り離す音がうるさかった
- 机が狭く、筆記用具の置き場に困った
- 実技1は3問しかなく、戸惑った
- 記述式の問題では着眼点が見つからず、なかなか書き出すことができなかった
あらかた出尽くしたら、似たもの同士でグルーピングします。
<会場>
- 試験会場は駅から近かったが、会場に入ってから教室までが遠かった
- トイレ待ちが長く、休憩時間が短く感じられた
- 冷暖房の効きが悪く試験官に申し出たが、「集中制御だから変更できない」と言われた
- 机が狭く、筆記用具の置き場に困った
<試験>
- 試験時間が足りず、全問を解答することができなかった
- トレーシングペーパーを使う機会がなかった
- 実技開始直後、問題用紙を切り離す音がうるさかった
- 実技1は3問しかなく、戸惑った
- 記述式の問題では着眼点が見つからず、なかなか書き出すことができなかった
会場については、次回受験時の備えに活かします。会場が変更になっても安心材料にはなります。
やって良いこと(10日後)
試験から10日後に気象業務支援センターの解答例が公表されたら、それを入手して分析をします。
ここからが大切なところです。
自分が試験会場で書いてきた解答とセンターの解答例を比べて、どこに違いがあるのかを分析しましょう。
自分の解答は細かく覚えていなくても大丈夫です。解答例を見れば、すぐに「あっ、違うな」と分かるはずです。
大切なことは、できるだけ広い視点で自分の弱点を探していくことです。
例えば、台風のテーマで「台風中心付近の温度分布の特徴を述べよ」という記述問題がうまく解答できなかったとします。分析ではこの問題が解けなかったとするのではなく、
①テーマ別のじょう乱の構造の理解が不足している
②記述問題の着眼点がずれている
という具合に、補強分野が特定できるように分析するのがコツです。
こうすることで、次のように対策も立てやすくなります。
①テーマ別のじょう乱の構造の理解が不足している
→台風、寒冷渦、沿岸前線のメカニズムを調べて、演習で慣れておく
②記述問題の着眼点がずれている
→記述問題をカテゴリー化し、過去問から着眼点と記述内容を整理する
ほとんどの方はすでに相当量の過去問題をこなしてきているので、自分の弱点はうすうすと気付いていることでしょう。
センターの解答例を見て一喜一憂するのではなく、補強すべき分野や項目を特定することで、残された期間を有効に使ってください!