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同じ教材は3回以上繰り返す

分厚い参考書を読むのが苦手だという方は多いと思います。今回は参考書の読み方をまとめてみました。

 

収納のコツ

収納のコツはモノの定位置を決めてあげることだと言われます。

モノを使ったらすぐに定位置に戻す。逆に新しいモノには居場所を決めてあげないと散らかっていきます。

例えば家族に「店で安売りしてたから、役立ちそうなものをいっぱい買ってきたよ。整理しといてね」と言われたことを考えてみましょう。

何に使うのか分からない工具、趣味の書籍、そしてディバイダーなど(家族も予報士試験を受ける気になったのか?)。

これらを整理するには居場所を決めてあげないと出しっぱなしになり、散らかっていく一方です。

既存の引き出しにしまうのか、あるいは新しく収納箱などを買ってしまうのかを決めていく作業は結構大変です。

 

1回目は全体像を把握する作業

新しい分野の学習も、これと似たところがあります。

気象予報士試験の参考書を開いてみましょう。風だけでも地衡風、傾度風、旋衡風、温度風などがあります。さらにトラフ、渦度、強風軸解析など分からない言葉だらけで、一冊の本を読み通すのには知力と体力が必要とされます。

「自分には向いていない」と思い、挫折したくなります。

ちょっと待ってください。これは初めての体験では当然のことなんです。大事なのはまず1回、参考書を最後のページまで読み通すことです。

最後まで読み通すことで、まず気持ち的に落ち着きます。もちろん分からないことが山積みの状態ですが、最後までたどりつけたことでちょっとした自信が芽生えます。

これは良い兆候です。なぜなら2回目に進んでみようというモチベーションが湧いてくるからです。そのためにも、1回目の通読はできるだけ短期間に完遂しましょう。500ページ程度の書籍であれば1週間程度で通読することを目標にします。

そのためには1日に50ページ読み進める必要があるので、書籍を持ち歩いて隙間時間を見つけてとにかく先に進めます。

分からないところはそのままにしておきましょう。

 

2回目は引き出しを準備していく作業

1回目を読み通すのには相当苦労したはずですが、2回目は予想以上に楽に感じるはずです。

書籍の解説はどうしても本の後半に出てくる概念を使って説明する場面が出てくるので、1回目ではこうしたところでつまずくことが多かったと思います。2回目になると視野が広がっているので、「あそこの話と関連するのかな」というつながりが少し見えてきます。

それでも分からないところはたくさんあります。頭の中に引き出しを作り、知識をしまっていくイメージで読み進めていきましょう。

引き出しに入れられない箇所も残っています。よく理解できないところには下線を引いて、「?」マークをつけておきましょう。

2回目はペースを落としながら読みます。それでも1ヶ月以上かかってしまうとモチベーションが低下するので、頑張って1ヶ月以内に読み切ります。

 

3回目にだいぶ分かってくる

3回目になる頃には、自分の頭の中にいろんな引き出しができて知識がそこそこ整理されているので、理解度が増します。2回目に「?」マークをつけた箇所も、かなり理解できるようになっているはずです。

大切なのは1回目で分からないからと、「自分には向いていない」「参考書が悪いんだ」とあきらめないことです。1回目は辛いものです。そこをとにかく辛抱して乗り越えることで、分かる楽しみを味わうことができます。

 

【事例】

先日、研修を受講した方から「参考書を読んでも大気の安定度が分からない」という質問がありました。私も学習当時は抽象的すぎて、掘り下げた理解ができなかったことを記憶しています。

大気の安定度とは周囲の空気の気温(①)と地上から上昇した(仮想的な)空気塊の気温(②)を比較して、①と②のどちらの気温が高いか(低いか)を比べて判断します。

参考書には通常、下図のような図が掲載されています。

これを理解するためには最低でも断熱、気温減率、温位、相当温位、混合比の知識が必要になります。
参考書では構成の都合上からこれらの説明が前後してしまうため、1回目の学習では準備不足の状態でこの概念を学ぶことになります。これが消化不良を招く原因となります。

参考書を繰り返し読むことでこれらの知識が頭の中に定着してくるので、絶対安定度の理解は1回目よりも深まります。さらに問題演習を通してこれらの知識の理解を深めることと、実際のエマグラムを見ることで理解は一層深まります。

 

まとめ

  • 一冊の参考書は最低、3回読む
  • 分からないからといって他の参考書に移り気を起こさず、辛抱して3回読む
  • 1回目は1〜2週間で集中して読む
  • 2回目からはペースを落として読む(1ヶ月以内が目標)
  • 3回目は書籍の内容を自分の知識として習得するために読む

 

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「同じ教材は3回以上繰り返す」への2件のフィードバック

  1. 6/22のエマグラム徹底講習に参加させていただきました。事例や試験対策も交えてわかりやすく解説いただき、合格に一歩近づけた気がします。夏の試験後にいいご報告ができるよう頑張ります。

    1. お疲れさまでした。
      自学でかなりのレベルに到達されているので、ご自身の理解を整理する機会になったのではないでしょうか。
      このまま学習を続けていけば、結果は自ずとついてきますね!

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